傘をひらいて、空を

伝聞と嘘とほんとうの話。

2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

石を投げられたくないだろ?

親戚は怖いなあ。僕がそう言うと、彼氏はのんきに、みんないい人だよ、と言う。 僕らは先日、マンションの共同購入を決めたところである。このところの東京の地価高騰は異常で、たぶんバブルで、買っても長く持っていたら得はしないだろうけど、それでも賃貸…

わたしの中のかわいい女

このところわたしばかりが仕事を休んでいる。 幼児は熱を出すものだ。ここ半年は誇張でなく隔週ペースである。そうなると親が仕事を休まざるをえない。そしてこのところそれを担当するのがわたしばかりなのである。 結婚話が出たときに、わたしは夫と家事子…

わたしのすべての変数

わたしは将棋を好む。 自分でも指すが、それはたいして好きではない。スポーツ以上読書未満の、やれと言われたらやれて、嫌いでもなく、素人としては楽しめる程度に素養がある、というほどのものである。祖父の趣味で、親はやらないが従弟のひとりが真剣に取…

何者かになる あるいは夢について

中学生の娘の進路相談の件を職場の後輩に話すと、彼女はがははと笑って、先輩はいい親やってると思いますよ、と言った。 ありがとう、でもわたしみたいな夢のない人間だけでは参考にならないし、夫も似たようなものだから、夢がある進路を選んだ大人の話も参…

何者?

娘が進路について考えているという。 時の経つのは早いものである。小さいころはよく病気をして、おっとりしているものだからいじめられたこともあって、そりゃあ大変だった。その時分には、いや、もしかしたら昨日まで、永遠に子育てに走り回っているものだ…