傘をひらいて、空を

伝聞と嘘とほんとうの話。

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

大つごもりver.13

昼間ずっとうとうとしていて、大量の夢を見た。すべて大晦日の夢である。 簡単な手術をした。痛み止めが効いているとはいえ、痛いものは痛い。手術箇所の都合でろくに寝返りを打てないこともあいまってずいぶんと寝苦しく、寝床に入っている時間は長いのにろ…

恋人ではないサンタクロース

サンタクロースはいないんだよ。 部屋の隅にわたしを呼び、小さな声で、彼は重要な事実を告げる。そうか、とわたしは重々しくうなずく。そうだったのか。知ってるくせに、と彼は言う。わたしは彼の母親と同級の友人で、彼が生まれた時からばっちり大人である…

「いろいろ」を生やす

年始はあんまり人気ないんですよ。だから年明けの日程が最速ですね。 そう言われた。簡単な手術を受けることになり、その予約を取ったときのことである。 簡単でも手術は手術なので、前後に生活の制限が発生する。年末年始は帰省や旅行で遠方に行ったり、つ…

わけわかんなくなりたいの

海外旅行がお好きなんですよね、どんな風に楽しむのですか。 そのように訊かれることがある。たいていの相手は話のつなぎにしたくて言っている。実際にわたしがどのように海外旅行を楽しんでいるのかを知りたいわけではない。だからわたしも「美術が好きなの…

信仰への介入に関する個人的な基準

わたしが近ごろ信仰について考えているのは、他人の信仰にどの程度介入するかに悩んでいるからである。この場合の「信仰」は伝統宗教や新宗教にかぎらず、科学的根拠なしに人に何かをさせる、超越的存在を(暗黙理にでも)想定した言動をさす。 典型的なもの…