傘をひらいて、空を

伝聞と嘘とほんとうの話。

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

教育の欠如と欲求の不満がもたらすもの

くそばばあ、かあ。彼女は言う。うん、くそばばあ。私はこたえる。ことのほか気合の入った長文の罵倒メールを受け取ったので、法律家の友人と遊ぶついでにプリントアウトを持ってきたのだ。友人はげらげら笑い、よう、くそばばあ、この差出人によるとくそば…

お知らせ

Webメディア「りっすん」に書き下ろしを寄稿しました。本日公開です。 「当たり前のこと」ができないと思っていた また、少し前に「週刊はてなブログ」からインタビューを受けました。 『傘をひらいて、空を』槙野さやかさんインタビュー。「文章を公開する…

孔雀の雄の尾羽の種類

浮かれた人というのはおおむねいいものだ。見ていると気分がよくなる。みんなうきうきすればいいし、浮き足立てばいいし、明るい未来を思い描けばいい。そう思う。けれども、浮かれている人の浮かれている原因が目の前で叩き潰されることがあきらかである場…

忘却のスイッチ

私は忘れっぽい。荷物を手元から離すと高い確率で忘れて降りる。買い物帰りには電車の中でも袋の取っ手を手首に通して膝の上に置く。多くの大人が「今、かばん以外のものを持ち歩いている」という意識を保っていられることが信じられない。今日も受け取った…

前菜のない人生の話

仕事で知りあった人が自分のプライベートについて話すのはおおむね、好意のあらわれである。自己開示というやつだ。まれに「もう黙れ」という意味をこめた開示もあるが、継続的に楽しげに自分について話すのはだいたい好意によるものだ。伴侶の話だとか、子…